確定申告における苦闘の記録 -e-Tax代理送信HUBH138Eエラー-

 税理士業における最大の山場、確定申告の季節がやってきました。
 いったん理解してしまうと、それが当たり前になり、「昔、自分は何が分からなかったのか」を忘れてしまうことがあります。
 税理士の仕事では記録を残すことが非常に重要だと言われています。そこで、当たり前のことのように感じつつも、備忘のため直近の業務のプロセスを記録しておこうと思います。


1.電子申告は開始が早い

 令和7年分の申告書の受付は、令和8年2月16日(月)から始まります。
 しかし、e-Taxによる申告は例年1月上旬から可能となっており、今年も1月5日(月)8時30分から利用可能となっていました。
 2月中旬以降の広報は広く目にしますが、1月上旬からのe-Tax受付開始については、これまで知りませんでした。もっと広く周知した方がよいようにも思いますが、税務署窓口でも受付が開始されたと誤解した納税者が来署してしまうことを懸念しているのかもしれません。
 いずれにしても、1月5日からe-Taxが開始され、1月下旬からは地域ごとの確定申告無料相談会も行われ、さらに弥生会計の令和7年分所得税確定申告モジュールの提供を受けて、早速、自事務所分の確定申告から取り掛かりました。


2.電子申告の手段

 確定申告における電子申告の手段には、さまざまなものがあります。
  • 会計ソフトによる電子申告
  • 税務申告ソフトによる電子申告(達人シリーズ魔法陣など)
  • 国税庁が提供する確定申告書作成コーナー
  • 国税庁が提供するe-Taxソフト(Web版)
  • 国税庁が提供するe-Taxソフト(インストール版)

 私は昨年秋の会計ソフトの選定時点から、これらの違いを十分理解しないまま、断片的な情報だけが入ってきて、混乱していました。
  • 「freeeは達人がなくても申告できるのが強み」(freee申告
  • 「freeeは達人と組み合わせることができる」(freee会計
  • 「やよいの青色申告オンラインなら申告まで完結でき、白色なら永年無料で申告まで完結」(弥生会計
  • 「弥生と達人シリーズの組合せは相性がいい」(Youtuberヒロ税理士

 それにより、以下のような疑問の渦の中にいました。
  • freeeは税務申告ソフトがなくても申告できるらしいが、ではなぜ達人とも連携するのか?
  • freeeは申告まで完結できるのが強みらしいが、弥生でもできるのでは?
  • 弥生も申告までできるのに、弥生と達人シリーズを組み合わせる事務所が多いのはなぜ?
  • 無料の確定申告書作成コーナーで申告できるのに、有料の会計ソフトや税務申告ソフトを使うのはなぜ?
  • 確定申告書作成コーナーとe-Taxソフト(Web版・インストール版)による申告の違いは何か?
  • その他 etc・・・(; ̄^ ̄)ん~

 これらの疑問を解きほぐすには、以下の要素を文脈に応じて整理しながら理解する必要がありました。
  • 個人か法人か
  • 個人の場合、所得の区分は何か
  • 青色か白色か
  • 自ら申告するのか、代理申告か
  • 申告する税目は何か
  • 申告方法は紙か電子か
  • 期限内申告か、それ以外か
  • 単純な申告のみか、更正の請求等も含むのか

 これらの条件を明確にしないまま断片的な情報に接しても、十分な理解はできませんでした。
 また、これも基本的なことですが、確定申告とは、納めるべき税額を納税者自ら計算・確定して申告・納税する手続の全般を指します。したがって、所得税だけでなく、申告納税制度(⇔賦課課税制度)を採用する法人税、消費税、相続税の申告も「確定申告」です。しかし一般に「確定申告」という場合、毎年3月15日前後が期限となる所得税の確定申告を意味することが多いため、狭義(所得税)なのか広義なのかを取り違えないよう注意が必要です。
 まだまだ実務理解の途上ではありますが、とりあえず以下の点が分かりました。


3.電子申告の実施

 弥生会計の令和7年分確定申告モジュール(1月29日リリース)により、まず自身の確定申告はスムーズに完了しました。
 続いて関与先の代理申告に取り掛かったところ、今回もっとも驚いたのが次の点です。
  • 弥生会計AEでは代理申告ができない弥生会計
 弥生会計AEは、税理士向けのソフトのはずなのだが、、、それなー。
 代理送信を行う場合は、弥生会計から作成したデータをxtx形式で書き出し(エクスポートのこと!?)、国税庁のe-Taxソフトから電子申告を行う必要があるとのことでした。
 指示に従って送信まで完了し、ほっとしたのもつかの間、送信結果を確認するとエラーで受付されていませんでした。

 エラーコードをFAQで検索すると「税理士の電子署名が必要」と表示されたので、電子証明書の再登録や、税理士用電子証明書からマイナンバーカードによる電子署名に変更してみるなど、さまざまな試行錯誤を行いましたが解消されません。
 さらにFAQを確認したところ、送信する関与先の申告データの「申告・申請等基本情報」「税理士等」欄に、税理士の利用者識別番号を入力する必要があることが分かりました。
 しかし、弥生ヘルプデスクとe-Taxヘルプデスクの双方に問い合わせても、この入力方法が分からず。
 e-Taxの方のヘルプデスクからの情報をヒントに、利用者ファイルの変更など自ら試行錯誤をした結果、ようやく正常に受付させることができました。
 この件で今後のために自作したマニュアルは、79頁にもなりました。
 そして結局、このエラー解消に3日を費やしました(泣)。



 いやー、久しぶりに骨の折れるシステムトラブル対応でした。
 それにしても、なぜ弥生とe-Taxのどちらのヘルプデスクでも、この送信方法について十分なサポートが受けられなかったのか……。
 それだけ税理士がe-Taxソフト(インストール版)で申告をすることは(達人シリーズと比べて?)マイナーであるということなのでしょうか。
 まだまだ謎は深まるばかりです。

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